テーマ:jazz

Billie Holiday Lady in Satin (Columbia)

かつて英文学者の中野好夫先生がこう云うことをおっしゃっていた。「私は、学生の話を聞いていて、『ハムレット』を読んで感動しました、傑作です、と言うやつをぜったいに信用しない」と。『ハムレット』には不可解な切断箇所があるし、初めて読んで感動できるようなたちの戯曲ではない、と言うのが中野先生の論旨であった。 実はこの話、『レディ…
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Benny Goodman: Carnegie Hall Jazz Concert (Sony)

75年前の今日、1938年1月16日、ジャズ史上最も重要といわれるコンサートが開催された。ベニー・グッドマンによるカーネギー・ホール・コンサートである。それまで下賤な音楽と思われていたジャズが、クラシックの殿堂カーネギー・ホールで演奏された瞬間である。 このコンサートの模様がレコードとして世に出されたのはそれから12年後の '…
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Billie Holiday: All or Nothing at All Disc 1 (Verv

ビリー・ホリデイ後期の最高傑作は下に取り上げた’55年8月23日と25日のセッションだと思うが、それに劣らず素晴らしいセッションがある。'56年8月14日と18日のセッション、そして「ビリーのマラソンセッション」と言われる’57年1月3日から9日までの土日を除く5日間のセッションである。これらのセッションは、生前3枚のアルバムに…
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Billie Holiday: Music for Torching (Verve)

ヴァーヴにおけるビリーの第5集である。このアルバムはオリジナルでは8曲の構成で、ほとんどの曲が「トーチソング」と呼ばれる、身も心も焦がす松明のような愛の歌であったためこのように題されている。現在では、このオリジナル盤CDのほかに同時期に発売された Velvet Moods とカップリングしたものがあり、ここではそのカップリング盤…
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Billie Holiday: Lady Sings the Blues (Verve)

ビリー・ホリデイについて没後50周年を記念して前期から後期まで網羅して書くと豪語しながら、もう2年も超過してしまった。ビリー・ホリデイのヴァーヴにおける第4集は、トニー・スコット (cl), チャーリー・シェーヴァース (tp), バド・ジョンソン (ts)らのオーケストラをバックに従えたテイクを集めた物。前半7曲が'55年2月のセ…
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Supersax: Plays Bird (Capitol)

パーカーのアドリブラインをそのままサックスのソリで演奏するというユニークなバンドがスーパーサックスである。私はNHK-FMの『ウィークエンドジャズ』という番組でパーカーの "April in Paris" に続いて、彼らの同曲が流れたのを聞いて印象に残っている。オリジナルレコードに聞こえるパーカーのラインは音が悪いのが原因で聞き…
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Billie Holiday: Recital by Billie Holiday (Verve)

今回紹介するアルバムは、ビリーのヴァーヴ集における第3巻。52年と54年のスタジオ・セッションが収められている。ところで、日記ブログのほうには書いたけれど、文体を「ですます調」から「である調」に変更したので、これまでの記事よりぶっきらぼうに響くかもしれないけれどご勘弁を。 1. My Man 2. Lover, Come…
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Billie Holiday: Solitude (Verve)

ビリー・ホリデイのヴァーヴ契約後の初吹き込みは'52年4月ごろということを前回の記事で書きましたが、実際紹介したCDはこの吹き込みのものではなくて、JATPとのライブ集でした。今日紹介するCDこそ、'52年の初吹き込みと、それに続くセッションのもので、ヴァーヴ時代前期、つまり後期の前期が聴かれるものです。スタジオ録音ということもあっ…
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Billie Holiday: At JATP (Verve)

1950年にデッカのラストレコーディングが終わり、契約が切れたビリーは、その後大手のレコード会社と契約を結ぶことができず、アラジンなるマイナーレーベルと仕方なしに契約を結んでいました。一方、麻薬所持裁判で有罪となり刑を受けた彼女は、悪名高き「キャバレーカード」を没収され、ニューヨークのクラブ(酒を出す店)での仕事が一切出来なくなりま…
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Billie Holiday: The Complete Decca Recordings

高3から浪人時代にかけて六本木の小さなショットバーでアルバイトをしていました。今は無くなってしまったようですが、鳥居坂ガーデンのすぐそばにありました。その鳥居坂ガーデンも既にありません。変わったお店でオープンが深夜の1時か2時ごろ。夜の六本木に勤めていたゲイやホステス、風俗嬢などが店がはねたあとやってくるアフター・アワー的な店でした…
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Billie Holiday: Billie Holiday (Commodore Records)

「奇妙な果実」に関する世間の意見は、おおむね二つに分かれているように思われます。一つは 「『奇妙な果実』こそビリーの代表作にして最高傑作だ」 というもの。もう一つは 「偉大な歌ではあるが例外的な作品である」 というものです。「奇妙な果実」を駄作という人もたまにいますが、天邪鬼な性格だったり音痴だったり英語…
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Billie Holiday: A Portrait of Billie Holiday - 1

ビリー・ホリデイが亡くなって、今年で50年。ルイ・アームストロングと共に、それまでの歌のあり方を圧倒的な才能で一挙に転換してしまったこの20世紀最大の天才歌手をしばらく集中的に取り上げてみようと思います。 細かいことを考えなければビリーは3つの時期に分かれます。前期(ブランスウィック・ヴォキャリオン時代)、中期(コモドア・…
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The Tatum Group Masterpieces (Pablo)

盲目のピアニストアート・テイタムは超弩級のテクニシャンで天才なのですが、いまひとつ人気がありません。その理由は多くの人が気づいているように「うるさい」んですね。上手いんだけれどのべつ幕なしに「コロコロコロコロ」やられると耳につく。音楽で「耳につく」なんていうのは最悪なことなんですが、それでも耳について仕方がない。さらに、テイタム…
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Herbie Hancock: Maiden Voyage (Blue Note)

ちょうどジャズに興味を持ち出した頃、奥平真吾さん(当時11歳!)がデビュー作『処女航海』をリリースして、おまけに彼と私が一歳違い。にもかかわらずこの大きな違いは何なんだ!?という大きな疑問にぶち当たりました。さいわい「才能の違い」という答えがすぐ見つかり、この疑問は解決しましたがね 8) その後、この曲がハービー・ハンコックの代…
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Benny Goodman Trio (Columbia)

ベニー・グッドマンのようなオールド・タイマーのジャズを聴く場合、ジャズ(つまり、パーカー以降の"進歩的"モダンジャズ)が先験的に優れているという前提を取っ払う必要があります。なぜなら、彼らはルイ・アームストロングを含めて、進歩的芸術家であろうとするよりも腕のいい音楽職人を目指していたようなところがあるからです。 見方を変え…
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Dizzy Gillespie: Jambo Caribe (Limelight)

「暑くなると涼しい音楽が聴きたくなる」、なんてことは毎年書いているような気がします。おととしの夏はこんなマクラでスタン・ゲッツの『ウェスト・コースト・ジャズ』を紹介し、昨年はあまりに暑かったので、開き直ったかのように『ディッピン』を紹介していました。 暑い時のラテン・フレーバーといえばボサノバですが、今回はカリプソを紹介し…
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Bud Powell: Best (Steeplechase)

バド・パウエルには大学のように「前期」と「後期」があって、前期はもう天才の極地。次から次へとフレーズが飛び出るし、どんなにチョッパヤでもものともせずガンガン進んでいた時期で、アルバム的には『バド・パウエルの芸術』、『ジャズ・ジャイアント』、『ジニアス・オブ・バド・パウエル』それに、ブルーノートの『Vol.1』『Vol.2』などを指し…
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Wynton Kelly: Smokin' at Half Note (Verve)

『フルハウス』で共演したウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリーは相性がよかったのか、このライブ盤で再び名演を繰り広げます。 録音は1965年6月と9月。場所はライブ録音がニュー・ヨークのクラブ「ハーフ・ノート」でスタジオ録音がヴァン・ゲルダー・スタジオ。メンバーはウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・…
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Louis Armstrong: Hello, Satchmo! Again (UM)

久々にCDを購入しました。このCDはサッチモのコンピレーションで『ハロー・サッチモ!~ミレニアム・ベスト>』と対になったものです。このアルバムも、今回買ったアルバムもその音源はほとんど網羅しているのですが、こちらでフィーチャーされている "Yellow Dog Blues" や "St. Louis Blues" の収められ…
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Keith Jarrett: Bye Bye Blackbird (ECM)

マイルスは1991年8月25日に亡くなりましたが、その後に出された「トリビュート物」の数は計り知れず、中には「マイルス頼み」のバイショウ的感覚が突出しすぎで、却っていやらしいものもあります。マイルスに限らず、こうしたいやらしい「トリビュート」を見せられてきたジャズファンには、私を含めてトリビュート物に懐疑的な気分を持っている人が…
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Art Blakey: The Jazz Messengers (Columbia)

ハード・バップのど真ん中にある曲は何かと聴かれれば、"Nica's Dream"じゃないかと答えています。この曲、作曲はホレス・シルバー、ハード・バップど真ん中からファンキーあたりまでの屋台骨を支えたピアニストで、ブルーノート後期に「宗教物」といわれる懐疑的なレコードを連発したものの、最近は回帰して普通のジャズを堂々と弾いている人で…
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Wynton Kelly: Wynton Kelly! (Vee Jay)

ウィントン・ケリーがマイ・ベスト・フェイバリット・ピアニストであることは以前の記事にも書きましたが、その中でも最も優れているのが『ケリー・アット・ミッドナイト』であるのに対して大衆的な魅力は『ウィントン・ケリー(邦題『枯葉』)』にあると書きました。たしかに、『ケリー・ブルー』というより人口に膾炙されている名作もあるにはあるのですが、…
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Oscar Peterson: The Way I Really Play (MPS)

昨年12月にオスカー・ピーターソンが亡くなりました。彼はライオネル・ハンプトン、ベニー・カーターと並んで、決して亡くなることはないジャズマンと思っていたのでびっくりしました。もっとも82歳ということで、あの巨躯を支えて来たことを考え合わせれば、大往生といえるのではないでしょうか。オスカーPの作品は枚数も多いので、今回は特に私の好…
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Herbie Hancock: Possibilities (Hancock Music)

ハービー・ハンコックのライフワークの1系統として、ティンパン・アレイや40~50年代ジャズ曲からの脱却というか、新しいスタンダード(ニュー・スタンダーズ)の追求というのがあるような気がします。これはハービーさんの師匠マイルスが推し進めていたもので、特に『ユア・アンダー・アレスト』にその姿勢が集約されていますが、従来のスタンダード…
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Kenny Burrell: Midnight Blue (Blue Note)

今から10年ほど前、東芝EMIでは "24bit by RVG" と銘打って、ブルーノートの名盤を名録音エンジニア、ルディー・ヴァン・ゲルダー(RVG) によるリマスタリングでCD化し、紙ジャケット仕様で発売していました。と言うより、もう10年も前になるんですね。ライナーの裏に第1弾発売が1998年7月となっているのを見て改めて…
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Clifford Brown: New Star on the Horizon(Blue Note)

日記ブログのほうで『美味しんぼ』の記事を書きましたが、その際10インチ盤について言及しました。レコードのLPにはサイズで12インチ(30cm)と10インチ(25cm)があり、初期のジャズLPには、よくこの10インチ盤が用いられていました。しかし12インチに比べると、当然ながら収録時間が短く、アドリブの発達とそれに伴う収録時間の延…
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Herbie Hancock: River - the joni letters (Verve)

授業でハービー・ハンコックの音楽を聴かせました。「カンタロープ」。何人かは反応していましたが、中には狐につままれたような顔して聴いている学生もいて、やはり歌がないとポイントを絞って聴けない人もいることに改めて気づいたわけです。「歌入りでハービーさんのCDというと去年の『ポッシビリティーズ』かな」などと考えながら、授業終わりに「は…
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